事業承継対策は何故大切か
「中小企業が日本経済を支えている」といっても過言ではありません。
しかし近年、経営者の高齢化が加速する一方、後継者の確保が困難なとなっています。
また、事業承継に失敗し紛争となったり、会社業績が悪化している例も少なくありません。
中小企業にとって、「事業承継対策」は非常に重要な課題となっています。
事業承継とは
一般的に事業承継とは、会社経営を現在の経営者から次の経営者へ引き継ぐことをいいます。
より分かり易く言えば、現在の経営者が自らの意思で次の経営者を選出し、育成して内外の関係者に認知させて経営権を交代させることを意味します。
日本の中小企業の多くはいわゆるオーナー経営であるのが実態です。
このような背景から、事業承継は会社の「経営」と「所有」とを併せて引き継ぐもの、と考えることができ、会社の代表権だけを表面上委譲すればよいわけではないことがわかります。
事業承継対策のポイント
中小企業における事業承継対策はまったく進んでおりません。
理由は明らか、『準備不足』です。
「後継者不在」で仕方なく廃業してしまう企業もあるほどです。
中小企業経営者の平均年齢は約57歳、60代70代の高齢経営者も確実に増加しています。
高度成長期に20歳代から30歳代で大量に創業した経営者世代が、一斉に引退時期へさしかかっていると言えます。(2006年度中小企業白書参考)
何故対策準備が必要かをよく考えてみてください。
個人の場合、大方の人は「遺言状」というものを書き残しています。
それは、残された家族や資産をしっかりと守る意味もあるわけです。
では法人は?
社員がいます。その家族がいます。もちろん経営者の家族もいますし、資産もあるわけです。
ある意味個人より承継対策を真剣に考えておく必要があることがわかると思います。
「自分はもう引退。後継者はいない。仕方がないから廃業」
では、そこで一生懸命働いてきた社員は誰が守るのでしょうか。
だからこそ『事業承継対策』はとても重要です。
では中小企業が事業承継対策を進める上でのポイントは何でしょうか。
経営者の高齢化が進行している一方で後継者確保が困難になっています。
事業承継対策がなされていないと、様々な理由で経営に影響を与えますし、事業継続自体が困難になってしまいます。
トラブルなく、円滑に承継、継続させるためにきちんとした事業承継対策が必要です。
前述したとおり、個人では遺言状を書き残します。
であれば法人も遺言状にあたる『事業承継計画書』をしっかりと作成し準備を進めていくことが非常に重要であることを理解しなければなりません。
中小企業の承継には大きな問題があることも理解してください。
まずほとんどの中小企業が同族会社であるということです。
役員全員一族となると、ほとんどの場合後継者の候補は親族しかなくなり、親族以外の候補者は極端に少なくなります。
また会社の動産や借入金の保証人が社長個人であることも多く、すべてを第三者に後継させるには非常に高いハードルがあります。
中小企業のほとんどがオーナー会社であるため、周囲がなかなか取組を促すことができないのも事実です。
そしてまた、オーナーであるからこそ自分が元気なうちは承継など考える必要がないと思っている社長が多く、対策に取り組むためのきっかけがないとことも対策が遅れている原因の一つです。
事業承継を真剣に取り組むには専門知識も必要になり、またいろんな面から情報収集や調整が必要になるため、とてもじゃありませんが経営者だけで進められるものではありません。
専門家に支援してもらうことが非常に大事です。
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