事業承継用語集
事業承継税制
中小企業の相続に関して、後継者の子が相続税負担によって事業継続に支障が出ないよう課税を軽減する仕組み。
非上場株式や事業用の土地などを対象とするのが一般的。国内で後継者難による廃業が急増しており対策強化が求められている。
焦点のひとつが非上場株式の減額割合である。
海外ではイギリス100%、フランス75%などとなっているのに対して日本は10%。
経済産業省・中小企業庁は平成20年度税制改正で一定の事業者が非上場株式等の事業用資産を相続した場合に、課税価格を80%以上軽減する措置の導入を要望している。
MBO
マネジメント・バイアウト(Management Buy-Out)の頭文字を取った略語で、企業のサラリーマン経営者などが株主から過半数の株式を買い取り、経営権を得て独立する手法のこと。
管理職などのサラリーマンは、自己資金だけでは株式を買い取るための資金を用意するのが難しいことも多いが、計画的に持株割合を増やしたり、将来の事業収益を担保にして投資ファンドや銀行などの金融機関から出資や融資を得られることもある。
LBO
レバレッジド・バイアウト(Leveraged Buy-Out)の頭文字を取った略語で、買収側が自己資金をわずかしか保有していなくとも、多額の借入金により調達された買収資金をもとに、標的となる会社または会社の一部門を買収する手法のこと。
通常は借入金の担保となるものは買収対象会社の資産やキャッシュ・フローであるところから、この借入金の一部返済のために、買収後直ちに被買収会社の資産の処分や、買収側にとって不要な事業部門が売却されることがある。
ホワイト・ナイト
買収をかけられた会社の経営陣が、敵対的で自分たちを追い出すおそれのある買収者よりも、友好的な別の会社に自分たちに有利な条件で買収してもらいたいと望むとき、そのような友好的な会社をホワイト・ナイトという。
ポイズン・ピル
買収防衛策の一つで、買収コストが高くつくことを買収者に承知させて買収を断念させようとする手段。
例えば、買収が開始された後、プレミアム付の価格で償還を義務づけた優先株を発行したり、買収者を除く既存株主に株式を時価の半額で購入する権利を与えることなど。
デュー・ディリジェンス
買収前に実施する買収対象企業に対する詳細調査。
買収側の企業が、買収対象企業から提供される情報や交渉担当者の口頭による保証だけに頼ることなく、クロージングに至る前に、自ら及び公認会計士や弁護士などの専門家の手を借りてさまざまな角度から調査する、きわめて重要な作業。
通常、買収合意前に行われる前半のデュー・ディリジェンスと、買収合意後クロージング前に行われる後半のデュー・ディリジェンスとがある。
調査内容は買収対象企業のビジネスそのものから、会計、税務、法律、IT、また海外事業がある場合は国際的な面などにまで、広範囲にわたる。
会社分割
会社が事業に関して有する権利義務の全部または一部を、他の会社に包括的に承継させる行為。
「吸収分割」と「新設分割」に分類される。
「吸収分割」とは、事業を承継する会社が、既存の他の会社である会社分割をいい、「新設分割」とは、事業を承継する会社が、分割により新たに設立される会社である会社分割をいう。
また、「分割型分割」と「分社型分割」にも分類される。
「分割型分割」とは、設立会社又は事業を承継する会社が新たに発行する株式を、分割により事業を承継させる会社の株主に割り当てる分割をいい、新たに発行する株式を分割により事業を承継させる会社に割り当てる分割を「分社型分割」という。
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